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ゴーストバスターズ

発売元:徳間書店
開発元:WORLSS/マイクロニクス
発売年:1986年
ジャンル:アクションアドベンチャー

1984年の映画「ゴーストバスターズ」のゲーム化。
映画と同じようにゴーストバスターズが街を襲うゴーストを退治するアクションゲーム。

アクションゲームと言ったが、多くの要素がゴチャ混ぜなのでぶっちゃけ何ゲーか分からない。
一貫性があるのは作中で永遠と流れる主題歌「Ghostbusters」くらいか。




タイトル画面でスタートボタンを押すと、「ゴー゙ス ゙ ト ゙ バス ゙ タ ゙ ー ゙ ズ!!」てな具合に荒い音声が再生されるが、当時としてはファミコンゲームから声が出る事自体が大ニュースなので、子供心を分かっている演出と言えなくもない。


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さて、ゲームが始まるとバスターズのロゴが街に放り出される。

このゲームの流れとしては、幽霊退治用のアイテムをショップで買ったらオバケに襲われた建物でオバケを回収してお金を稼ぎ、十分な準備ができたらマップ中央の「ZUUL」に入りボスを倒すのだが、その要素全てが破綻している事をあらかじめお知らせしておこう。

ちなみに、BGMは映画のテーマソングでもあるレイ・パーカーJr.の「 Ghostbusters 」

タイトル画面以外の全ての場面で永遠と鳴り続ける。


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このゲームではあらゆる建物に入ろうとすると、いきなりドライブゲームが始まる。

絶賛飲酒運転中の一般車に当たると所持金を失うため、ひたすら避け続けなければならない。

また、ノロノロ走っているとガス欠になってバスターズが人力で車を押し始める。マンセルか?

画面上部に張り付いてスピードアップし、さっさと終わらせるのが吉。

移動するごとに一々プレイする必要があるのでゲームのテンポは最悪。


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この貧相な画面がショップ。ここでは主にお化け退治用のアイテムを売っている。(どんな店だ)

初期の所持金は10000ドルなので必要最低限のアイテムしか購入できないのだが

実はとんでもないバグ(というか設定ミス)があり

ゴースト・アラームの購入値段が2000ドルだが、その場で売ると3000ドルで売れる。

つまり、アラームを買ってAボタン(購入)とBボタン(売却)を同時に押し続ければ所持金が永遠に増え続けるのだ。

ある程度の金が貯まればお化け退治を無視して「ZUUL」へ向かえるので、ゴーストバスターズのゲームで最も重要であろうゴーストバスティング要素を省くことができる。


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一応お化け退治モードも紹介しておこう。

つまらないドライブモードを終わらせてビルの前に到着すると幽霊がうようよしている。

購入したキャプチャートラップを地面に置いたら陽子ビームでオバケを捕捉し捕まえる。

捕まえた数に応じて奨励金がもらえるので、これを繰り返して新しいアイテムの購入資金にする。

 陽子ビームを交差させると原作通りに陽子転換がおきてしまい、その時点でお化け退治モードは終了する。

ちなみにバスターズのメンバーは4人いるはずだが、ここでは2人しか登場しない。


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条件が揃うと「ZUUL」に入るように命令される。この条件が謎だが、おそらく一定の所持金で解禁。

そして、ここからが本当の地獄の始まりである。


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このゲームをクソと呼ばしめる元凶のひとつ、階段ステージ。

この23階建ての建物を主人公達(なぜか3人。もう一人はどこいった?)は徒歩で登る。

Aボタンを1回押すとキャラが1歩移動するという拷問使用なのでプレイヤーはひたすらボタン連打する必要がある。

また、4匹もいるゴーストに数回当たるとゲームオーバーになるのでそれを避けながら移動しなければならないため、このモードの難易度は異常に高い。

一応、ゴーストフードという幽霊を引きつけるアイテムや主人公達の耐久力を上げるアンチゴーストスーツもあるが、それを差し引いてもクリアは非常に難しく、ゲームオーバーになれば最初からやり直しなのでとにかく苦痛なステージだ。

ちなみにドアの前でBボタンを押すと扉が開くのだが、特に意味は無いと思われる。


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ようやくビルの屋上に辿りつくと、ボスでありゴースト達の親玉であるゴーザと対峙する。

ゴーザや下っ端のゴースト達が出す弾幕攻撃(割と激しい)を避けながら攻撃する。

白色のいかにもな幽霊は縦横無尽に移動するのだが、主人公は前後にしか弾を撃てないのが不便。

このゲームで一番盛り上がるところだ。メンバーが一人減っているが、途中で死んだのだろうか?


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ちなみに、画面下に移動するとマシュマロマンがいる。

ここでマシュマロマンがビルの屋上まで登りつめるとゲームゲームなのだが、普通にプレイしていれば障害にはならないだろう。

それよりも問題なのが、ゴーザ戦で画面の下部に移動すると勝手にこのマシュマロマンの画面にスクロールするのでゴーザと戦いにくい点。

さらに、この画面になるとゴーザの体力が回復するという素敵仕様なので害でしかない。


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苦戦の末、ゴーザを倒すと・・・


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30秒ほどの暗転の後、たった二文字「りり」

エンディングも、クリアメッセージも、スタッフロールも無く「りり」

これでこのゲームは終わり。金と時間を返せ



このゲーム、元はアクティビジョンがAtari 800とコモドール64で発売したソフト。制作期間はたったの6週間である。

その後ファミコンで発売されたのだが、製作メーカーはファミコンクソゲーメーカーの雄マイクロニクス説と、謎のメーカーWorkss説がある。

海外ではマイクロニクス製であるとの共通認識のようだが、日本ではコピーライト表記に「PROGRAMMED BY WORLSS 1986」とあるので、WORLSS製とされている。ちなみに海外のコピーライトは「PROGRAMMED BY WORLSS BITS」とある。謎。

 作中にZUULとあるが、これは鍵の番人ズールの事。ゴーザ戦で左側にいる狛犬の事である。

なぜビルにズールの名が冠されているのだろうか?

 エンディングの「りり」は、当時徳間書店が発刊していたファミマガの懸賞用キーワード。

りり懸賞のキーワードというのは、もはやファミコンクソゲーでは常識とされていただが、ここに来て新事実判明どうやら、プログラムミスにより意図せず表示された文字列だったようだ。

詳しくはこちら参照

ちなみに海外版では間違いだらけの英文でプレイヤーを讃えてくれる。

このゲーム、ドライブモードもオバケ捕獲モードも悪名高き階段モードもゴーザ戦もあまりに粗が多すぎる。いいところがまったく無い、やややケッタイなゲームでした。おわり。



・勝手にゲーム評価

システム  :★☆☆☆☆ 壊滅的。
バランス   :★☆☆☆☆ ゲームバランスという概念が無いようだ
サウンド   :★★★☆☆ 映画原作には珍しくテーマ曲あるがややしつこい。ボイスもユニーク?
グラフィック:★★☆☆☆ ゴーストにはみな同じ姿だし、全体的に暗い色調で楽しさを感じない。

   総合評価

相当酷いゲームである。

Atariのような低スペックなハードで発売されたゲームをそのままファミコンに移植したため、より酷さが際立つ。

要は、発売時点ですでに時代遅れのゲームだったのだ。

特に酷いのが階段のステージで、何のために連打必須の操作方法にしたのか分からないし、難易度も極端にシビアで、再挑戦のしがいが無い。

あらゆる要素が崩壊している上に、「りり」というインパクトの強さも見せつけプレイヤーに強い印象を与えるクソゲーの鑑。


   ひとこと




りり